Quantcast
Channel: 海の汚染は118電話
Viewing all articles
Browse latest Browse all 159

身体障害者手帳集団不正取得事件は、2007年から2008年にかけて北海道一円で発覚した身体障害者手帳の集団不正取得事件。

$
0
0
身体障害者手帳集団不正取得事件は、2007年から2008年にかけて北海道一円で発覚した身体障害者手帳の集団不正取得事件。
 

背景

 2007年11月に北海道滝川市で、生活保護費の不正受給(滝川市生活保護費不正受給事件)が発覚、報道機関などへ不正受給者に関する告発(密告)が相次いだ。その中で、2007年12月に取り沙汰されるようになったのが当事件である。

発覚

 投書や通報により、旧産炭地域や札幌市の住民を中心に、社会保険労務士らが聴覚に関する障害者手帳の申請を仲介し報酬を得ていたことが発覚。また、仲介を受けた聴覚障害者の多くが健常者で、普通の日常生活を送っていることも明らかになった。
 障害者手帳発給の根拠となる医師の診断は、全て札幌駅前に医院を構える一医師が行っており、健常者でも簡単な診察だけで聴覚障害2級(聴覚を完全に喪失した状態)の判定が下されたことから、障害者手帳の申請はクチコミであっという間に広がり、700名を超える規模へと拡大したという。
 
 

報道直後の混乱

 2007年12月に事件が報道されるや否や、市町村の窓口には今まで身体障害者手帳の交付を受けていた相談者が殺到。「健康食品を摂取したところ聴覚が改善した。」など、通常では考えられない理由などにより、2008年5月1日までに591名が障害者手帳の自主返納を行っている。
 芦別市では、民生委員の1人が障害者手帳を取得していることが発覚。多くの者が罪の意識がないまま、各種料金割引サービスが受けられる便利な手帳という認識で、障害者手帳の交付を受けていたことが裏付けられた。当該民生委員は委員を辞退し、手帳を自主返納している。
 
 札幌市では、2008年4月に医師が認定に関与した聴覚障害者134人を改めて調査したところ、自主返納者が62人、障害者に該当しない者が46人、等級が下がった者が18人、本来の聴覚障害2級に該当する者は僅か8人であった(このほか調査に応じない者も多数存在する)。札幌市は手帳交付の仲介者、医師、手帳受領者ら関係者を身体障害者福祉法違反などで刑事告発する方針を固めているが、2008年6月現在行われてはいない。
2008年9月3日、北海道庁は当医師を道警本部長宛に告発し、2009年6月11日には詐欺と虚偽診断書作成・同行使の疑いで逮捕となった。その後、2009年7月22日にはその他の容疑をあわせて追起訴となり、現在公判中(2011年5月結審予定)。

関与した医師に対する非難

 医師はマスコミのインタビューを通じて、作為的な診察を否定するコメントを出しているが、医療関連団体などから非難を受けている。
  • 日本耳鼻咽喉科学会は、医師を2008年5月16日付で除名とした。
  • 札幌市社会福祉審議会は、医師を2008年5月21日付けで聴覚障害指定医の取り消しを決定した。
  • 札幌市医師会は、医師を逮捕後の2009年9月の定期代議員会にて除名とした。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 159

Trending Articles