国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第2作業部会は31日、地球温暖化がもたらす包括的な評価に関する報告書を発表、温暖化は生態系にも人々の生活にも多大な影響を及ぼしていると指摘した。
報告書は、問題を制御するのはますます難しくなり、食糧供給から珊瑚礁、標高の低い沿岸地域まで脅威を与える恐れがあると警告した。同報告書の主要執筆者の1人であるカーネギー科学研究所のクリス・フィールド研究員は、「熱帯地域から北南極まで、小島嶼から大陸まで、先進国から最貧国まで、あらゆるところに温暖化の影響がはっきりと表れている」と述べた。
報告書は、IPCCが2007年に公表した同様の報告書以来の包括的なもので、昨年9月に公表されたIPCC第1作業部会の報告書では、気候変動に関する科学的な証拠を分析し、人間の活動が気温上昇の主因であると結論付けている。
今回の報告書で注目されるのは食料生産への影響で、地域や緯度によって影響は異なるものの、温暖化に伴い小麦やコメ、大豆などの穀物の収穫が全体として減少するとのいくつかの研究やデータが示された。報告書は、2007年以降主要穀物生産地帯が異常気象に見舞われた結果、何度か食料価格が急上昇したことを指摘、「その異常気象のいくつかは人間活動で排出された2酸化炭素が原因である可能性が大きい」と、「中程度の確かさ」を持って言えると分析した。
今回の報告書の作成には関与していないオックスフォード大学の気候科学者であるマイルズ・アレン氏は、「報告書の新たな重要な発見は、気候変動は北極の熊だけでなく、人々にも感じられるようになっている点が強調されていることだ」と語る。報告書の執筆者らは、異常な温暖化による大量の珊瑚の死滅は、気候変動の影響が最も広範かつ明白に示されたものであることに「確信」を持っているとの結論を下した。報告書は、地球の温度が産業革命前の水準を摂氏2.5度上回れば、世界の所得の0.2―2.0%が失われる恐れがあるとの見通しを明らかにした。
報告書はさらに、気候変動の影響を相殺するために必要な資金が不足していると指摘、開発途上国は気候変動対策に年間700億―1000億ドルの資金を必要としていると訴えた。IPCCは4月に、温室効果ガスの排出削減方法に関する報告書を公表する予定。
「気候変動キャンペーン」キックオフ 石原環境大臣ご挨拶
- Fun to Share 環境省
2014年03月26日 20時03分

“地球温暖化”は、今や人類共通の課題となっています。こうしている間にも地球温暖化は進行しており、様々な研究から、地球温暖化は私たち人類が引き起こしているという結果が出ています。私たち一人ひとりが、自分の事として地球と向き合う必要があることを意味しています。
これまで私たちは、低炭素社会の実現に向けた様々な取組、運動をおこなってきました。これにより、環境に優しい技術やサービス、地球に配慮した生活は日本の中で着実に広がりを見せてきました。
昨日より、日本で初めての開催となるIPCC総会が横浜で行われています。危機感と問題意識を共有するまたとない機会です。世界中の地球への想いが日本で高まるこの機会に、新たに「気候変動キャンペーン」を始めることといたしました。
新しいキャンペーンの名前は、「Fun to Share」。
そして、「Fun to Share」の象徴となる、シンボルマークはこちらです。
これまで私たちは、低炭素社会の実現に向けた様々な取組、運動をおこなってきました。これにより、環境に優しい技術やサービス、地球に配慮した生活は日本の中で着実に広がりを見せてきました。
昨日より、日本で初めての開催となるIPCC総会が横浜で行われています。危機感と問題意識を共有するまたとない機会です。世界中の地球への想いが日本で高まるこの機会に、新たに「気候変動キャンペーン」を始めることといたしました。
新しいキャンペーンの名前は、「Fun to Share」。
そして、「Fun to Share」の象徴となる、シンボルマークはこちらです。

シンボルマークの青く丸い形は地球そのものであり、このキャンペーンの拠り所となるものです。高い意識を持って「地球」そのものを考えていこうという私たちの決意表明です。美しい地球を、国民一人ひとりが手を取り合って創っていく、という想いを込めました。
今、低炭素社会を実現するための技術や取組が、様々な地域、団体、企業の中で生まれています。そして、地球のために、国民の皆さま一人ひとりが日常的に実践している様々な知恵があります。
美しく豊かな地球の未来を創る行為が、我慢や苦労を強いるものだと何か物足りない。様々な技術や知恵を、楽しくワクワクしながら共有し分かち合う社会を創っていきたい。そのような想いで「Fun to Share」と名付けました。
数十年後の未来を、想像してみてください。
今住んでいる街が、緑あふれているところを。子供たちが今よりももっと元気に外で走りまわっている姿を。自分の大切な人と緑の下で安らぐ時間を。東北の海沿いが、再び豊かな自然に包まれ人々の笑い声であふれている未来を。
今、低炭素社会を実現するための技術や取組が、様々な地域、団体、企業の中で生まれています。そして、地球のために、国民の皆さま一人ひとりが日常的に実践している様々な知恵があります。
美しく豊かな地球の未来を創る行為が、我慢や苦労を強いるものだと何か物足りない。様々な技術や知恵を、楽しくワクワクしながら共有し分かち合う社会を創っていきたい。そのような想いで「Fun to Share」と名付けました。
数十年後の未来を、想像してみてください。
今住んでいる街が、緑あふれているところを。子供たちが今よりももっと元気に外で走りまわっている姿を。自分の大切な人と緑の下で安らぐ時間を。東北の海沿いが、再び豊かな自然に包まれ人々の笑い声であふれている未来を。